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ラブレターのひとつも書いたことがないくせに。

The Story Bankという視点で整理してみると、これまで長い文章の広告ばかりをずいぶんと作ってきたンだなあと今さらながらつくづくそう思います。ここではすべてご紹介できませんでしたが、新聞広告だけでもこの何倍もの点数の長い広告を書いてきたはずです。ところでなぜ、こんなに多文字の広告を作るンだとよく聞かれます。「広告なんて誰も読まないじゃないか」というもっともらしい定説があるからです。しかし経験から、ある確信を得ました。それはこうです。読まれないコピーは10文字でも読まれない。読まれるコピーは1000文字でも読まれる。つまり、広告の効果は、文字量とはまったく関係がないということです。とはいえ広告ほど胡散臭いコミュニケーションはありません。「ジブンでジブンを褒め称える行為」だからです。人間だったら、誰もがこんな方とはお付き合いを遠慮したいはずです。ゆえに広告制作の最大の課題とは、いかに「ジブン自慢」をせずして伝えるか。僕はそればかりをずっと考えてきたような気がします。とはいえ、The Story Bankでご紹介している広告は、そんな心配はいりませんでした。事実と事実の間に、琴線に触れる真実があり、心の中に永遠に生きつづけるストーリーがちゃんと存在していたからです。それらを先達から教わった「広告は手紙である」という意識で綴ってきました。個人から個人へ「いかに書くのではなく、いかに読んでもらうのか」その1点を大切にしつつも、調子に乗って僕はその上を目指してきました。「広告はラブレターである」。The Story Bankにストックした広告は、アレコレといろいろなスタイルで愛の告白を試みてきましたが、いかがでしょうか。そういえば、人生で、私生活で、ラブレターを書いたことが一度もありません。書いときゃ良かったなあと今さらながら後悔しています。

松木圭三(クリエイティブディレクター・コピーライター)
同志社大学文学部新聞学科卒業、
スタンダード通信社に入社 keizo matsuki advertising inc.設立

日経広告賞商品広告賞最優秀賞、日経広告賞コーポレートブランド広告賞優秀賞、日経広告賞優秀賞、読売広告大賞最優秀賞、朝日広告賞部門賞、日本雑誌広告賞金賞、広告電通賞、日経BPシリーズ広告賞グランプリ、新聞広告賞優秀賞、産業広告賞一席、消費者のためになった広告賞大賞、ACC賞、London International広告賞、New York Film Festivals、Asia Pacific ADfest、NEW YORK ART DIRECTORS CLUB入賞、東京コピーライターズクラブ新人賞etc.

 

 

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